【レクター博士に学ぶ機内食問題の解決方法】
コラム【私流オーガニックなNY旅】でも書きましたが
5月は、ニューヨークに1週間ほど滞在していました。
自由の国の楽しみ方
キッチン付きのホテルに滞在し、毎日、現地のオーガニック野菜を料理し、大いに楽しみました。
旅先の現地野菜で料理するのは、この上なく楽しいことです。
NYCは、東京よりもずっとオーガニックに関する意識が高く、あたりまえのこと。
ですからオーガニック素材、野菜の調達には、全く困りませんでした。
むしろ、選ぶのが楽しくて楽しくて。
見たこともなかった珍しい野菜を「どうやって料理するか?」と考えるのも楽しい。
そんな私流のNYCの楽しみ方をちょっとご紹介しました。
減塩菜食者の機内食問題
さてよく聞かれることに
「機内食はどうされるのですか?」
というのがあります。
機内食にはベジタリアンミールを選択することができます。
しかし、食べられるレベルの料理ではありません。
ですから、一応ベジタリアンで頼んではおきますが、
私は弁当を持参しています。
機内の持ち込み品に関しては、色々な規制があるので、調べてみてください。
ハンニバル・レクター博士の価値観
さて機内の食事について、
アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクターが代弁してくれているので、
以下、映画「ハンニバル」より引用します。
機内。
ハンニバル・レクターは、紙製のランチボックスの蓋を開け、ワイン片手に食事をしようとすると。
隣の席に座っていたアジア系の少年が興味を示します。
(ハンニバル:H)
(少年:B)
B「それ何?」
H「キャビアだよ」
B「そっちは?」
H「イチジク」
B「それは?」
H「これか? 君の口には合わんだろう」
B「おいしそう」
H「うまいよ」
B「食べさせて」
H「君は変わった子だな」
B「機内食はまずい」
H「”食事”とは呼べない代物だから――――私は持ち込むんだ」
(リドリー・スコット監督:映画「ハンニバル」(2001年)より引用)
DVDのイマイチな字幕どおりなので、場面の細やかなニュアンスが伝わりませんが、こんな感じのやりとりです。
あまりにも有名な映画なので、詳しい内容解説は省きますね。
ちょっとグロいシーンが多い映画ですが、リドリー・スコット監督ならではの高い美意識による表現力と、名優アンソニー・ホプキンスの存在感が圧倒的な作品です。
余談ですが、グレン・グールドによる『ゴールドベルク変奏曲』が使われているのも、この映画作品の好きなところです。
ハンニバル・レクターは”美食家”です。
しかし、ベジタリアンではありません。むしろ超肉食。
私が今回、注目してほしかったのは、ここです。
<機内食は”食事”とは呼べない代物だから、私は(自分で食事を)持ち込むんだ>
学ぶべきなのはこの姿勢です。
私はリドリー・スコット監督の作品が大好きなことと、アンソニー・ホプキンスの、知的で優雅な話し方がとても好きで、特にこの機内のシーンは何度も観直しました。
映画や本や芸術作品から学ぶことというのは、そこに表現されている表面的なことではなく、その場面や文章や画に隠された本質的なものであると、私は思うのです。
人生は選択の連続
ものを選ぶ目を自分の中に育てること。
そして、選択する自由を自分の芯に持つこと。
非日常に身をおくことで、日常で積み重ねたことが生きてくるのですね。
旅においては、常に選択することを求められます。
何を選択し、どのように楽しむか。
旅には、生き方が表れるのではないでしょうか。