【冷え症対策の落とし穴~マクロビ食、運動、手当て法~】
冷え症を治そうと、玄米を食べ、朝から濃い味噌汁を飲み、ごま塩をたっぷりかけていませんか?
実は、これらはかえって逆効果になってしまうのです。
冷え症は陰性か?陽性か?
ほぼ確実に、マクロビでは「冷え症は陰性です」と言われます。
巷のマクロビ本などを読んでも、冷えは陰性、という考え方を植え付けられてしまいます。
それで「自分は冷えているから、陰性体質なんだ」と思いこんでしまうのです。
なので「陽性にすれば治る」と思ってしまいます。
陰性なんだから、陽性食にして陽性のものをドンドン摂れば、陽性になるので体が温まるのだ、と。
まあ、ある意味自然な流れと言いますか……当然そうなりますよね。
けれども、一向に良くなりません。
冷えは、全く改善しないのです。
改善しないどころか、ますます悪化していきます。
さらに、他の症状も発生していきます。
例えば、過食になったり、イライラ怒りっぽくなったり、うつっぽくなったり、肌の色が黒ずんだり、荒れたり……
体がガチガチに硬くなり、腰痛や肩こりも悪化、さらには生理不順や不眠症など、上げたらきりがありません。
頻尿がひどくなり、膀胱炎にまでなってしまうケースも多いです。
このようにして、冷えは陰性だと思い込み、陽性食をやってしまい、問題を増やしていくのです。
こういう人は非常に多いです。数えきれないほど私のところへご相談に来られます。
皆さん、同じところで間違って、つまづいたり挫折したりしているのです。
冷え症は陰性ではない?
まず、スタート地点が間違っているのです。
『冷え症は陰性』という部分ですね。実はほとんどの『冷え症は陽性』なのです。
これについて、なぜなのかを解説します。
冷えの原因とは、『血行不良』なのです。
血が足りないのではなく、ドロドロすぎてちゃんと循環していない、という意味です。
そして、組織が萎縮・硬化し、血管が細くなり、末端まで血液が行き届きにくくなっています。
陽性過多の食事は、老化を早めてしまうのです。
すぐ手がしびれるとか、足がつるとかいう人は、要注意です。かなり血行不良ということになります。
そういうわけで『冷えは陽性の症状』だと、わかっていただけたのではと思います。
しかし「冷えているあなたは陰性です」と言われたり、そういった情報を読んだりして、自分は陰性だと思いこんでしまっているので、陽性の食べものを食べたり、体を陽性にするためにと、一生懸命に対策をしてしまうんですね。
陽性食をすると、体の細胞組織がギューッと締まり、固くなります。
すると、臓器も固くなりますから、代謝も血流も悪くなります。
血流が悪くなると、末端に血液が循環しませんから、体はますます冷えるという逆効果になるのです。
固まった細胞組織は、簡単にはほぐれませんから、血流は悪いままになり、冷えは一向に治りません。
冷え症対策にならない間違った食事内容
マクロビで言う『陽性食』とは、どんなものなのか、簡単に解説しましょう。
玄米、ごま塩、キンピラ、梅醤番茶、濃い味噌汁、ひじき煮など……
圧力鍋でしっかり煮たもの、醤油や味噌をたっぷり使ったもの。
暖色系の野菜が陽性だとか、寒い土地や季節に収穫できる野菜が陽性だとか、大概そんな感じで教わることでしょう。
塩分を一生懸命しっかり摂ることが、体に良い、冷え症を治す、という考えが植え付けられてしまいます。
これは、とても危険なことです。
飲み物の間違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【冷え症対策の落とし穴~マクロビ飲み物編~】
「なんだか、違和感があるけど……冷え症を改善するためにやらなきゃ」
「美味しくないけど、頑張って食べたり飲んだりしなきゃ……」
いえいえ、無理しないでいいんですよ。
このような陽性食では、冷え症対策にはなりません。全くの逆効果だからです。
先程書いたように、冷えは『血液ドロドロの陽性』なのです。
ちなみに、肉や魚、卵などの動物性食品と玄米の組み合わせは、大変な陽性過多になります。
そういう食事をしている人は大抵、甘いもの依存かアルコール依存になっていることが多いです。
そうでない場合は、過食などの問題が起こっていると思います。
冷え症対策の外用手当ては効果がない?
運動、半身浴、冷え取り靴下などなど……
色々な外用手当てがありますが、本当に重要な対策をしないままに実行しても、むしろ負担になってしまいます。
冷え症は『血液ドロドロの陽性』でしたね。
そのような状態で運動をしたら、ドロドロ血のまま無理やり動かすことになるので、体に負担がかかり、むしろ疲れてしまうのです。
靴下を重ね履き。2枚でダメだから、3枚に。3枚でダメだから、4枚に……。
半身浴で芯から温まる。20分でダメだから、40分に。40分より、60分の方がいいかも……。
そんなことをやっていても、不毛なのです。
なぜなら、本質に目を向けられていないからです。
冷え取り靴下は、圧迫感が無ければとりあえず害にはならないかもしれません。
しかし、シルク製の場合、動物性タンパク質でできた素材のため、アレルギー反応が出てしまうリスクがあります。
アレルギー反応は、言い換えると肌にとって、強いストレスになっているわけですね。たとえ肌に蕁麻疹などの反応が出なくても、明らかにストレスになっているのです。
それは『ゆるめる』『リラックス』などとは、真逆の効果になってしまうのです。
本当に必要な冷え症対策とは
結局、表面的な対策しかやっていないので、間違えてしまうのです。
「なぜそうするのか?」といった本質的な意味を、見極める能力を身に着ける必要があるのです。
単に表面的な技術と古い知識を教わっただけで、体との対話の仕方を教わっていないために、間違いが起こります。
問題が広まってしまう根本的な原因は、教える側が陰陽解釈を間違っているからなのです。
では間違えないためにどうするべきか?というと、本質的な問題に目を向けること。
そして、陰陽の本質を正しく理解すること。これにつきます。
今、自分の体がどうなっているのか?
自分自身の内側から考えていくということです。
本当に陰性な体質なのか?
問題(冷え)の本当の原因は何か?
これらを解明しない限り、何をやっても逆効果となり、冷えを悪化させてしまうのです。